エネルギー収支ゼロ以下の省エネ性能の高い住宅をZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅といいます。
ZEH住宅は国からの補助金が出るということもあり新築住宅を検討されている方はZEHを視野に入れている方も多いのではないでしょうか。
ただ条件などが複雑なため、自分の計画する住まいはZEH補助金を受けられるのかよくわからないという方も多いと思います。
・そもそもZEHってなんだっけ?
・ZEH住宅なら補助金は必ずもらえるの?
・ZEH補助金2023(令和5年度)の条件は?
・ZEH補助金2023(令和5年度)スケジュールは?
・条件に当てはまらなければZEH補助金はもらえない?
こちらの記事ではこんな疑問についてわかりやすく紹介していきます。
ZEHとZEH補助金について

まず大前提ですが「ZEH住宅であること」と「ZEH補助金をもらうこと」は別の話になります。
ZEH=補助金というイメージが先行している傾向もありますが、あくまでZEH基準を満たす省エネ住宅に対して申請すれば補助金がもらえるという仕組みになっています。
逆に言えばスケジュールなどの関係で補助金がもらえなかったとしても基準を満たしていれば「ZEH住宅」ということになります。
ZEH種類とZEH補助金種類について
ZEH住宅とZEH補助金を混同しやすいようにそれぞれの種類についても分けて考える必要があります。
まずZEH住宅は「ZEH」と「ZEH+」の大きく2つに分けられその中でもそれぞれいくつか種類が定められています。
ZEH住宅種類
①ZEH:創エネを除く一次エネルギー消費削減率20%以上
・ZEH(創エネ含む一次エネルギー消費削減率100%以上)
・Nearly ZEH(創エネ含む一次エネルギー消費削減率75%以上)
・ZEH Oriented(創エネ問わない)
②ZEH+:創エネを除く一次エネルギー消費削減率25%以上
・ZEH+(創エネ含む一次エネルギー消費削減率100%以上)
・Nearly ZEH+(創エネ含む一次エネルギー消費削減率75%以上)
ZEHとZEH+の違いは創エネルギーを除く消費削減率が20%以上か25%以上かという違いです。
ZEH+の方がレベルが高いため補助金額も高く設定されています。
「創エネを除く」とは建物そのものの省エネ性能を指し「創エネを含む」とは太陽光など家庭で創ったエネルギーを含んだ省エネ性能を意味します。
上記のZEH基準を満たした上でそれぞれの条件に該当する補助金を申請する必要があります。
ZEH補助金種類
①ZEH支援事業
・ZEH(55万円+@)
・ZEH+(100万円+@)
②次世代ZEH実証事業(100万円+@)
③次世代HEMS実証事業(112万円+@)
④こどもエコすまい住宅支援事業(100万円)
まず補助金額のベースは「ZEH」か「ZEH+」かで決まります。
②と③はZEH+を満たした上で省エネ付加価値設備を搭載することを条件に上乗せ的にもらえる補助金のため、今回は①ZEH支援事業の補助金を基準に説明していきます。
④のこどもエコすまい住宅支援事業はZEH支援事業補助金に加えて追加されたもので詳細は後半で後述したいと思います。
※ZEH基準を満たす集合住宅向け「ZEH-M」もこちらでは割愛
ZEH補助金2023の条件は?
複数種類あるZEHはそれぞれ補助金の申請が可能ですが、青字のものは条件付きのため注意が必要です。
①ZEH:創エネを除く一次エネルギー消費削減率20%以上
・ZEH(創エネ含む一次エネルギー消費削減率100%以上)
・Nearly ZEH(創エネ含む一次エネルギー消費削減率75%以上)
・ZEH Oriented(創エネ問わない)
②ZEH+:創エネを除く一次エネルギー消費削減率25%以上
・ZEH+(創エネ含む一次エネルギー消費削減率100%以上)
・Nearly ZEH+(創エネ含む一次エネルギー消費削減率75%以上)
ZEH Oriented
都市部などの条件を満たした狭小地が対象。
立地条件から物理的に太陽光を搭載できない場合があるため創エネ条件は免除され、家そのものの省エネルギー性が削減率20%を満たしていれば補助金申請の対象となりますが、対象かどうかは個別の確認が必要です。
Nearly ZEH・Nearly ZEH+
創エネ含む消費エネルギー削減率が100%に満たないまでも75%の削減率を満たす住宅も総称としては「ZEH」となります。
ただ、Nearly基準で補助金の対象になるのは寒冷地、低日射地域、多雪地域など、日射条件の厳しいエリアのみとなるため「ZEH=補助金がもらえる」は必ずしも当てはまるわけではありません。
上記対象エリア以外でZEH補助金を申請するにはZEH(創エネ含むエネルギー消費削減率が100%以上)であることが必須条件になりますのでご注意ください。
また、この20%、25%という数字は建築会社が個別計算を行いその性能を証明するための申請も別途必要になります。
「ZEH基準を満たしています!」とうたう会社でも、建物の間取りや窓の大きさなどによってそれぞれ性能数値は変わってきますのでZEH補助金を受けたい旨を明確に伝えることが必要です。
ZEH補助金2023スケジュール条件は?
上記の仕様条件に該当する建物が全て補助金対象かというと実はこちらもそうではありません。
ZEH支援事業の補助金はスケジュールにも細かな条件があり、計画の時期によっては補助金の対象外になるケースがあります。
スケジュールに関する条件
請負契約(注文住宅の場合):2022年12月23日以降の契約であること
工事着工:2023年6月以降かつ補助金交付決定後の基礎着工であること
引き渡し:2024年1月26日までの引き渡しであること
つまり2022年12月22日に請負契約を交わした人は他の条件をクリアしていたとしてもそれだけで補助金対象外になってしまいます。
上記は2023年度の条件ですが、12月末以降の契約条件や引き渡し時期の条件は毎年基本的に変わりません。
今後ZEHの補助金が続く限りは同様のスケジュール条件が見込まれますのでこれから住まいづくりを検討されている方は要注意です。
ZEH補助金2023条件満たさなければ諦める?

ご紹介してきたZEH補助金(ZEH支援事業補助金)の条件に当てはまらず肩を落としている方もいるかもしれませんが、まだチャンスがあります。
それが冒頭でご紹介したこどもエコすまい支援事業の補助金です。
こどもエコすまい支援事業
ZEH住宅を購入する18歳未満の子供がいる世帯かつ夫婦どちらかが39歳以下という年齢条件付きではありますが、他の条件がZEH支援事業の補助金よりも緩くハードルがぐっと下がります。
こどもエコすまい支援事業の特徴
- エネルギー消費削減率において創エネ基準が必須要件ではない(太陽光などの創エネ設備の設置が不要)
- 請負契約日の条件がない
- ZEH基準(消費エネルギー削減率20%)を満たせば補助金100万円
なんとZEH支援事業であれだけ求められる創エネの基準が問われないんです!
しかもZEH支援事業ではZEH+の基準でしかもらえない補助金と同額の100万円がZEH規準のクリアでもらえるという手厚さ。
その他スケジュール条件などはありますが、いずれもZEH支援事業の補助金と比べて厳しいものではないので、世帯条件に当てはまる場合はこちらのこどもエコすまい支援事業補助金の方がおすすめです。(ZEH支援事業補助金との併用は不可です)
人生で1番高い買い物と言われる家の購入、お得な情報は少しでも多く集めておきたいですね。
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5000円と言えば、シーリング照明器具1つ分くらいにはなるでしょうか。
家づくりって本当にチリツモですからね…。
ZEH補助金2023まとめ
・ZEHとZEH補助金
▶ZEH住宅であることとZEH補助金を受給することは別物である
・ZEH種類
▶ZEH:創エネを除く一次エネルギー消費削減率20%以上
①ZEH ②ZEH Oriented ③Nearly ZEH
▶ZEH+:創エネを除く一次エネルギー消費削減率25%以上
①ZEH+ ②Nearly ZEH+
・ZEH補助金2023種類
①ZEH支援事業(ZEH:55万円+@/ZEH+:100万円+@)
②次世代ZEH実証事業(100万円+@)
③次世代HEMS実証事業(112万円+@)
④こどもエコすまい住宅支援事業(100万円)
・ZEH補助金2023条件
▶ZEH支援事業補助金は原則は創エネ含まないエネルギー消費削減率が20%以上かつ創エネ含む消費削減率が100%以上(エリアによって例外あり)
▶契約や工期に条件あり
▶こどもエコすまい支援事業補助金は20%削減率のZEH基準満たせばを創エネ要件問われない
以上、2023年度のZEH補助についてご紹介しました。
せっかくのマイホーム、少しでも対象になる可能性がある場合はぜひ補助金を考慮した計画を進めてくださいね!
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